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古典文学に見る男と女シリーズ 第48回
秋風の いたりいたらぬ袖はあらじ
ただわれからの 露の夕暮
新古今和歌集 巻四 秋歌上 鴨長明
秋風が届く袖、届かない袖はなく、誰の袖にも秋は来る。
私の袖が濡れているのは、私の心の悲しみのためだから。
かなり寒くなりましたね。
北風が入るホームで、コートの袖を引っ張り、ため息と同時に
頭を吹き抜けたのがこの歌です。
かなりお寒い歌です。
寒さ倍増。
でもこの歌は春の歌の本歌取り。
古今集の春の歌。
ハルノイロノ イタリイタラヌ サトハアラジ・・・・
サトハアラジ・・・・
あら下の句が出てこない。
何が我慢出来ないって、浮かんだ歌の下の句が出ない時ほど、
我慢できなくて、気持ちの悪いことはないの。
こういう時は即、携帯でチェックです。
春の色の 至り至らぬ里はあらじ
咲ける咲かざる 花の見ゆらむ
古今和歌集 巻二 春歌下 詠み人しらず
春が「来る里」と「来ない里」というのは、ないのに
(春はどこの里にも来る)
なぜ、咲いている花と、咲いてない花があるのだろう。
どうということのない歌なんです。
・・・・という認識だったのですが、
ネット検索している際に、伊勢物語の本歌取り
と紹介しているサイトを発見。
春の日の いたりいたらぬ里はあらじ
咲ける咲かざる 花の見ゆらむ
「春の色」と「春の日」の違いだけです。
伊勢物語の異本、小式部内侍本の方だったのですね。
「ようこそ 伊勢物語ワールドへ」サイト様の
「恋」のカテゴリーから「咲ける咲かざる花」をご覧ください。
(教育サイトに勝手にリンクは出来ませんので、
検索サイトから上記サイト名で検索してご訪問ください)
Googleより「ようこそ 伊勢物語ワールドへ」を検索する
目から鱗の訳になっております。
「私が行っても行かなくてもニッコリ迎えてくれる女もいるのに、
どうして貴女は笑ってくださらないのですか?」
そうそう「咲」と「笑」は同じなのですよね。
YAHOO!辞書 え・む〔ゑむ〕【笑む/▽咲む】
それに気づくと、こんなにも意味が深くなるの。
伊勢物語の主人公とされている業平をモデルにしている
源氏物語にもありますよね。
気位が高く、内心嫉妬で燃えているのに、それを隠すように、
いつも構えてニコリともせずにいる葵の上。
微笑んでいてくれるだけでも、自分の気持ちは軽くなり、
葵の上の元にも足繁く通うのに・・・・というくだり。
女性の笑顔は、男性にとってとても和むもの。
ところで、「笑む」と「咲む」を
柳田国男氏は「女の咲顔(えがお)」の中で区別しています。
【遠野物語 集英社文庫 女の咲顔】
"笑"はワラフ "咲"はエム。
エムは微笑み。と解釈。
「笑い顔というのは決して咲顔(えがお)ではない。
ワラフは口を開くにしても大きく開け、やさしい気持ちを伴わぬもの、
結果がどうなるかを考えぬか、
またはむしろ悪い結果を承知したものと考えられる。
エムにはいかなる場合にもそういうことがない」
「ワラヒには必ず声があり、エミにはすこしも声はない。
従ってエミは看るものであり、
ワラヒはまた壁一重の隣からでも聴ける」
「日本は小娘の最もよく笑う国で、箸の転んだのもおかしがる
などといわれている」
日本(の大人の)女性には、独特の苦微笑があるという。
「何となれば微笑は実際は笑いの一種ではなく、
したがってそれのやや苦いものも、また笑いではないからである」
「幸福な少女のにこにこ顔のなかには」ないエミ。
「遥々と世渡りの苦しみに入って行くにつれて、
泣いたり歎いたりするあい間あい間に、
せめてこうでもしていたら、少しは苦しみが凌ぎやすく、
またはやや楽に一歩前へ活きて行けるという体験は
得られるのである」
「エミはむしろ人生の滑油、殊に女がこの世を平穏に、
送ってゆけるために具わった自然の武器と言った方がよい」
エガホは
「笑いの先触れでも準備でもなく、むしろその反対に、
笑うまいとする慎みの一つである」
「ただその中には受身のものと働きかけるものと、
または自分一身のためにするものと、
人を考えて何物かを与えようとするものと、
二種類の価値段階がある」としている。
最後に柳田氏はこう締めている
「どうか将来の日本の女性に、不幸がなく
また心の余裕があって、終始他人の目を怡(よろこ)ばしめ、
ひいては人生のつどいを清々しくする目的ばかりに、
神に与えられたその快いエガホを、
利用することができるようにしたいものと思う」
何だかとてもI氏に逢いたくなりました。
逢って、咲み(エミ)をI氏に見せたくなりました。
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季節限定『ヌレヌレ・デリシャスストロベリーキッス』が誕生。 |
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電車の中で、こんな事を考え、窓に映る自分の口角を少し上げてみました。
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