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古典文学に見る男と女シリーズ 第22回 その1
久しぶりの古典シリーズ、今回は歌ではなく物語をとりあげようと思います。
今昔物語。
今昔物語は、12世紀ごろの成立といわれ、天竺(インド)・震旦(中国)・本朝(日本)の短編説話を集めた、日本最大の文学集ですね。
編者は不明ですが、その頃の女流文学のように、光る形容のような文体ではなく、
いきいきと簡潔な文章で書かれていて、ずんずんとその世界に入り込みます。
淡々とした文章ですが、一文で読み手に奥深い想像をさせる。
それ故に、芥川龍之介はじめ、多くの文学者が、
今昔物語をヒントに素晴らしい作品を書いています。
色々な文筆家が、今昔物語の現代語訳を出されていますが、
簡単で短く、解りやすい文章ですから、是非原文で読まれてみてはいかがしょうか。
とはいいつつ、原文は書店では今は手に入りにくく、
図書館か古本屋さんで見つけられればラッキー。
私も最近やっと見つけました。
実家で。
ええ。お正月太りはこのせいです。
本の部屋(と、実家で呼ばれている)で読みふけっておりました。
私は、天竺・震旦はあまり興味がなく、やはり本朝が好き。
仏・鬼・天皇・公卿・僧侶・庶民、いろいろな人間が主人公。
天上からどん底、尊い話からエッチな話まで網羅されています。
さて、今回私が取り上げる物語の主人公は帝のお后と鬼。
うふふ。
知る人ぞ知る。アレです。
「おとなの恋草子」で取り上げるわけですから、そっち方面。
本朝仏法部 巻20 第7「染殿后、為天狗被媾乱語」
(そめどのの后、天狗の為ににょうらんせらるる語)
お后様が鬼に犯されるお話です。
(この時代、天狗と鬼の区別はなく、文の中では鬼と書かれています。)
原文の中には、2文しかそれらしい文章はありません。
一つ
"后の臥させたまへる御腰に抱き付きぬ。"
二つ
"もろもろの人の見る前に、鬼と臥せたまひて、えもいはず見苦しきことをぞ、憚るところもなくせさせたまひて・・・"
でも、その2文が想像をかき立てるのです。
はい。私、専門に古典を勉強したこともないド素人でございます故、
オイオイという突っ込みも多々あるかと思いますが、
まぁ「恋草子」風ということでお流しくださいませ。
*****************************************************
今は昔、染殿の后と申し上げる方がいらっしゃいました。
文徳天皇の女御、清和天皇の母后で、関白藤原良房太政大臣の御娘でした。
お美しさは、比べるものも無いくらいの輝きでしたが、
お后は物の怪に憑かれ、煩っておられました。
あまたの験のある、徳高い僧侶を集めいつもご祈祷をしておりましたが、
まったく効果の験が顕れません。
その頃大和の葛木の山の金剛山というところに、一人の尊い聖人がお住みでした。
鉢を飛ばし食事を摂り、瓶をやって水を汲むという能力を身につけた、
他に並ぶ者も無いくらいの験のある聖人でした。
その力がだんだんと高くなり、京の帝と父の大臣はこの噂を耳にして、
聖人をお后の祈祷の為に呼び寄せられましたが、聖人は何度もお断りになられました。
しかしながら、帝からの宣旨に背き難きということで、やっと山から降り、
宮中に参内され、お后の御几帳の前で加持祈祷を行いますと、
その験がみるみる顕れて、お后から侍女へ物の怪を乗り移らせ、
一匹の老狐をその懐から飛び出させました。
その老狐を捕まえ縛り、物の怪の正体を狐であると大臣に御報告されました。
父大臣はこの上なくたいそう喜ばれました。
お后も一両日中に回復なされました。
回復をおおいに喜ばれた大臣は、しばらく留まることを聖人に仰せられました。
聖人は仰せに従い、しばらくの間宮中に留まり、お后のお側近く加持祈祷を続けられておりました。
夏のことですから、お后は肌の透ける薄い単衣のみをお召しになっていらっしゃいました。
ある時、御几帳の帷を風が吹き上げ、聖人はほのかにお后のこの艶かしいお姿を見てしまいました。
聖人は、お后の端正美麗なお姿を初めて見て、心はわらわらと迷い、今までの修行の験もどこかへ消え失せてしまいました。
愛欲はどんどん増すばかり、しかしながら思いをどうすることもできず悩み苦しんで、
とうとう煩悩を弾けさせてしまいました。
続きは次回にて。
★「おとなの恋草子」姉妹blog「大人の女性のために Way to Beauty」もどうぞ。
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注)やんごとなき女性は御几帳から姿をあらわすことはなく、
夫やごく近い身内の男性しか御几帳の内に入ることはできません。
この聖人の祈祷も御几帳の前でお后の姿を見ずにおこなっていた訳です。
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