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前回の続きです。
その頃myはゴルフに凝っていました。
いえ、正確に言うとゴルフ練習場に通いボールを打つことに夢中になっていました。
男性のように、バッティングセンターに行きボールをかっ飛ばし、
ストレスを発散したかったのですが、それは少し憚るので、
ゴルフ練習場で「うりゃッ!」と密かに楽しんでいました。
お仕事関係の方々には内緒です。
知られたら最後、楽しいゴルフではなくなってしまいそうだったので。
ゴルフ練習場は自宅近くにあったので、休日の午前中に歩いて通っていました。
天気のよい"打ちっぱなし日和"の日、小さな事件が始まりました。
いつもの道を通り、いつもの交差点で信号を待っている時、男性に声を掛けられました。
「あのー●●のゴルフ練習場を探しているんですけど」
二十代前半くらいの男性。
myがクラブケースを肩から提げているので声を掛けたのでしょう。
「私も今そちらへ行くところですので、ご案内いたしますわ」
「あ、すみませーん。お願いします」
その交差点から10分程myが少し前を歩きながら進みます。
天気が良いとか、この辺は詳しくないとか当たり障りのない言葉を掛けて来るのですが、
myは少し警戒していたので「ええそうですね」とか「そうですか」など素っ気無く返していました。
警戒していた理由。
それはその男性がいかにもこの辺りに居そうな男性だったから。
そこは日本一の歓楽街の近くでした。
環境はあまり良くなかったのですが、副都心に勤めていたmyは、
オフィスから一駅で、終電がなくなりタクシーがつかまらなくても、
歩いて帰宅できる距離のマンションを選んでいました
場所柄近所には、その歓楽街にお勤めしているらしい女性や男性が多く住んでいて、
夕方になると華やかに着飾った女性たちがふわっとお目見えします。
日本人に外国人。
そして、ソフトスーツに身を包んだ歩き方に特徴のある男性たちも・・・・
myに道を尋ねた男性もソフトスーツこそは着ていませんでしたが、
それ系のクラブにお勤めという感じ。
色黒で、少し長めの髪を茶色に染めて、
歩くと"チャラチャラ"という音が出てきそうな戯れ男。
白いキャップにPolo Ralph Laurenロゴ風の上下白のスエット。
白くて、細長い。
心の中でmyは『ポロねぎ』と呼んでいました。
ただ、道を聞いてきただけですからどうという事は無いのですが、
彼らの常套手段として、道案内というテクがあるのを知っているので、
多少硬くなってしまいます。
要らぬ心配をしながら歩いていたのでついつい、返事も素っ気なくスタスタと歩き、
入り口でお礼を言うポロねぎ男に「どういたしまして」と目も見ず返事をして中に入って行きました。
いつもと同じかご数を打ち、
いつもと同じようにスタンドで冷たいフルーツジュースを飲んでいるところに、
先ほどのポロねぎ男が軽快に歩いてきました。
「あっさっきはどーも」
「あっどうも」
運動をして気持ちが軽やかになっているmyは、ずっと愛想よくなっています。
男はmyの隣に腰を掛け怒涛のように話はじめました。
内容は全く覚えていないのですが、自分の事ではなく友人の話を次々と面白おかしくする話術。
やはり、それ系のプロだと確信。
警戒はしていましたが、話が面白くて、たまにはこんな時間つぶしもいいかと30分くらい話していました。
帰り際、いつもこの曜日のこの時間に来るのかと確認されましたが、それは否定。
本当はその通りだったのですが、又会うのは面倒だったので。
ところが、翌週もそのポロねぎ男は来ていました。
そして、翌々週も。
さすがにここまでくると警戒警報ですが、
怖いもの見たさと確認したいこともあったので練習場へ向かいました。
果たしてその男は来ていました。
毎回会話は30分程度ですが、この後どうかという押しが少しずつ強くなっています。
確かに、悪い人という感じでもないし、美男子風、会話も楽しい。
危うくコロっとなりそうですが、
ポロねぎ男の話には腑に落ちない点が多すぎるのです。
苗字しか教えていないのに、下の名前を知っている。
仕事先を教えていないのに、副都心であることを知っているような流れ。
もしや、住所まで知っているのではないのかと思いカマをかけてみましたら、
ずばりでした。
ただのナンパではありません。
それに、その男はどう見てもmyを気に入っているという風ではないのです。
情が感じられない。
当然myはなびきません。
それでも、手だけでも握ってくれとか、繋ぎたいとか、ご挨拶に頬にキスしたいとか、
なにか具体的な行動を求めてきます。
それで、その練習場に通うのは止めたらよかったのですが、
平日の殆どは東京に居なかったので、怖さはありませんでしたし、
向こう見ずというか、若気の至りというか、
こんなヤツのために練習は止めたくないというか何かで通い続けました。
いきなり会話を止めるのは、かえって危うかったので警戒しつつ、ボロがでるのを待ちながら。
ところが、2ヵ月たったところでパタリとその男の姿が見えなくなりました。
「諦めたか」
ホッとしたのと同時に、何か起きる前に消滅した出来事にガッカリ。
myはK氏事件やこの件を先輩男性W氏に話しました。
その男性は、仕事とは別の繋がりで友達以上恋人未満の年上の何でも話せる先輩。
myにゴルフを教えてくれて、唯一一緒にゴルフに行く男性でもありました。
「ふーん。で、K氏はその後どうしたの」
「直ぐお引越しされたわ」
「奥さんからは?」
「何も無いわ」
「ポロねぎ男君の方は?」
「全くよ」
「何で来なくなったんだろうね。最後に何か決定的な事でも言った?」
「そうね・・・話題に上ったのは、「勘違い話」でね、勘違い夫婦の話をしたの。」
「したの?」
「そんなにも詳しくではないのよ。全然関係ないのに勘違いされて、私にはキチンと恋人もいるのに迷惑な話って」
「恋人の話ってした事なかったの?」
「ええ。特に聞かれたこともなかったし、私の事を又聞きかもしれないけれど知っていたし、恋人の事も知っていたと思ったわ」
「彼氏とは最近逢ってる?」
「タイミングが難しいわ。でもこの間逢ったわ。福岡で」
「福岡で?」
「ここの所、東京では逢わないわ。地方とか海外の方が時間が取り易いから」
「それだと、恋人の存在はわからないな」
「そうかもしれないわ。男もいない日照り女が打ちっぱなしでストレス解消しているように見えたかも」
W氏は少し考えて答えを出しました。
「その二つって繋がっているかもしれないよ」
「繋がっているって?」
「たぶん、そのねぎ男君は興信所の雇われ男だね」
「なぜ興信所なの?」
「浮気調査のオプションに別れさせる請負もあるんだ」
「当て馬ね」
「うん。多分調査した時にmyちゃんには恋人がいないと判断されたと思うんだ。」
「適当な調査ね」
「だって、東京で逢っていなかったんだから。状況証拠をとるには費用が掛かりすぎるでしょ」
「なるほど」
「で、K氏の奥さんがさ、これ以上K氏になびかないようにmyちゃんに男を付けてK氏から心を離させようとした。
myちゃんの事を情報として興信所から聞かされていたから、ねぎ男君はポロッと出たんだね。myちゃんが言ってもいなかった事も。
契約を履行するために証拠として手を握ったり何かしらの具体的行動をとりたかったんだよ」
「うへ」
もう、やれやれです。
腹が立つどころか嫌気で気持ちが悪くなりそうです。
「でも、myちゃんはK氏に全く情がなく、彼氏もいたのではこれ以上やっても意味がないと判断し、契約打ち切り」
話はぴたりと合っている。
でも、段々とムカムカしてきました。
調べられたとか、男を当てられたということではなく、
「ねぇ。それって頭にくるわ」
「勘違いに、引き込まれたものね」
「そうじゃないわ。そんなことどーうでもいいの。
私に男を付けて心を離そうとしたわけでしょ。
ということは、私が心を動くような男を当てないと意味無いわけよね。
で、私にあてがわれたのは、ねぎ男なのよ。
私ってねぎ男と釣り合いがあると判断されての事よね。
そうよね。
ふざけるんじゃねーッ!!」
いきり立つmyにW氏がなだめるように言う。
「人材不足だったのかもよ」
「おのれ、興信所め!!」
「まぁ。これで一件落着じゃないか」
「うぐぅ~」
K氏奥さんに対しては怒りはありませんでした。
奥さんだってある意味被害者かも。
良いように興信所に言われたのかもしれなしカモにされたのかもしれないですね。
あっカモネギでしょうか。(≧∇≦)ノ彡 バンバン!
では、myは?あっダシ汁?
(゚口゚;)ダシにされたのかッ!!
ムッカー再び!!
もう随分と前の今で言う『別れさせ屋』お話です。
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