前回のエントリで、女は「癒し系」と「いやらし系」を持ち合わせると最高!と書きましたが、
男はどうでしょう。
「癒し系」は、欲しいですよね。

「癒し」と真逆の「ムカつく」男はどうでしょう。

随分と昔のお話ですが、
Ｋという男がいました。
彼氏というほどの仲ではなく、仲の良い友達。
当時バブリーな時代、男のコ達はバブリーな場所をリサーチし
myをデートに連れて行ってくれました。
でも、Ｋは違っていました。
「ねぇ。ハンズにハケ見に行くけど行く？」とか
「ねぇ。東宝にネジ探しに行くけど行く？」とか
「ねぇ。秋葉原にジャンパピン探しに行くけど行く？」とか
「ねぇ。(おにぎりのみのお店)おにぎり食べに行く？」とか
女の子をデートに連れて行くような場所とはかけ離れている所に誘う。

ネジを見て何が面白いかとお思いでしょうけれど、
世の中イロイロなネジがあるのですよ。
何に使うのか？と思い、用途を聞いて納得。
これがツボにハマってしまうのです。
マニアックな場所に連れて行って、myを唸らせてくれました。
myの秘密の心を見透かされているようで少しムカつきましたが、
流行のお店に連れて行ってくれるより、
もっと人生的にお得感があるデートでした。

そのＫが
「ねぇ。三社祭に行くけど行く？」と誘ってきました。
神田の友人のところに御みこしを見に行こうと言うのです。
又、面白い経験が出来そうで、もちろんＯＫ。
myもＫに心が傾きかけていた時期、
一緒にいたかったという理由もあります。

友人宅は神田の細い路地を入った所にありました。
路地に面した戸は全て取り払われ、誰でもウェルカムな状態。
ガレージのようなところに長机が置かれ、
もう出来上がっている男性達が赤い顔で笑いあっています。
町会の役員をしているお宅らしく、着物姿の初老の男性や、
町会の揃いのはっぴに鉢巻姿の男衆がひっきりなしに顔を出す。
江戸っ子達の祭りという雰囲気たっぷり。

面白いところに連れてきてくれたと思いつつも、
お酒を酌み交わす男達のなかに、
myはちょこんと小さな置物のように浮いていました。

Ｋは友人や近所の若い衆と一緒にお酒を飲み盛り上がっています。
myは寂しさと同時にムカついてきました。

いたたまれなくなり、
奥で忙しなく働いている友人のお母様に声を掛けました。
「お手伝いいたします。」
「あら、いいのよ。お客さんなんだから。あはは、でもあの中じゃ掃き溜めに鶴状態だね。少し手伝ってくれる？」
気さくなオカミさんに救われました。
空のビールを集めたり、食器を出したり、片付けたり。

ふと、気が付くと男衆やＫがいません。
「あらら、時間だね。行っちゃったみたいだね」
Ｋと一緒に見たかったのに、見事に置いていかれました。
「私達も見に行こうか」
オカミさんとお手伝いに来ていた近所の女性達といっしよに表の通りに出て見学。
初めて生で見る本場神田の御みこし。
Ｋの事など忘れて活気と熱気に興奮。
「カッコいいでしょう。惚れ惚れするねぇ」
オカミさんが目を細めて言います。
「でもね、女は大変だよ。あー大変大変」
嬉しそうに話すオカミさんにとても興味を持ち、男達が戻ってくる間、
下町のオカミさん話をたくさん聞かせていただきました。

「楽しかったなー」
Ｋが帰りの地下鉄で上機嫌で言う。
「Ｋは、そうでしょ。何か私、お手伝いさんしに来たみたいだったわ」
「楽しかっただろ？嬉々としていたぜ。オマエあぁいうの好きだろ。下町の女気分、味わえたろ？」
ムカつく。その通りでした。

Ｋはmyのツボを押さえ、満足させてくれた。
表には出していない、自分でも気が付かない部分を突いてくる。
それが、とてもムカつくけれど、コイツ判ってくれているという安心感。
まんまと落とされました。

癒しだけでは、物足りない。
ムカつきだけでは、情が湧かない。
「癒し系」と「ムカつき系」を兼ね備えている男。
チョッピリ操られ感もあって妙に心地良い。
myはそういう男に弱いかも。

Ｋとはタイプが違うけれど、
誰かさんもそうなのよね。
思い切り癒してもくれるけれど、
思い切りムカつかせる。
微妙なラインで切り替えられて、虜にさせられる。
ふぅ～。

◆本日のオススメコスメ◆

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