さて、二件目。
「どうだった?」
Kは、程よい密度の顎ヒゲを触りながら、私の耳元に寄って小声で聞く。
「まぁ・・・いいわね」
「myちゃん評価でそれなら、かなり合格ってところかな」
二件目【アラフォー男女が、語り合えるバー(笑)】の
化粧室から席に戻った私に聞いたK。
お店の化粧室って大切でしょう?
Kも評価の対象にしている。
【女性を誘って"あわよくば"も秘めた
男の下心遂行作戦に使える】お店評価には外せない。
デートの最中の化粧室って、お化粧直しはもちろん、
気合入れ直しもするでしょう?
そこが、狭すぎたり、水浸しでバッグも置けないなんて論外。
・・・・なんて贅沢?
お店の事情もあるでしょうけれど、
雰囲気に気を使うお店ならば、
そういう所にも気を使ってもらいたいところ。
化粧室がグタグダなお店は、又行きたいとは決して思わないもの。
その肝心な女性化粧室の評価は、Kも直にはできない。
そこで、辛口何様女王様な私がチェック。
「何が良かった?」
「鏡が良かったわ」
「うんうん」
「唐鏡のすこし暗き見たるって感じ」
「ん?」
「枕の草子の"心ときめきするもの"という中にね、
"曇った鏡を見るとドキドキする"というのがあるの」
「曇っているのに?」
「曇っているからいいの。ソフトフォーカス効果。
アラが映らないから、ぼんやり綺麗に見えるの」
「なるほどね。ってここの鏡、曇ってたの?」
「まさか。曇ってなんかいなかったわよ(笑)
ライティングが絶妙でね、アラが・・・
小ジワとかが光でとんで、綺麗に映るのよ。
アタシキレイ!とね、自己暗示をかけられるの」
「自己暗示でいいの?」
「いいのよ。ここのお店、薄暗いでしょ?
それに、近づきすぎず、離れすぎず、丁度良い距離感のテーブル。
何が丁度良い?
小ジワ、アラが見えない距離(笑)でしょう?
お席に戻っても、そのままキープ」
「ごまかせる(笑)」
「違う違う、自信を持てるのよ」
「でも、ごまかしでしょ」
「わかってないわね。ワトソン君。
あなた、私の小ジワ気になる?」
「そんなの気にしないよ。
俺だってあるし、同年代なら当たり前でしょ。
小ジワ気にして、澄ましていられるよりも、
小ジワ作っても笑っていてもらえた方がいいよ」
「そうなのよ。女もそう思っているわ。
大人の魅力でもあるわよね。
でも、悲しいかな、やっぱり気にしちゃうの」
「だから自己暗示なんだ」
「そうなの。鏡に向かって笑顔を作って、ヨシッ!OK!って」
「ふーん。そういう為の化粧室も必要だね」
「ええ。微妙なお年頃のアラフォーには特にね。
だから、このお店はそういった意味では合格。
オーナーかプロデューサーが女性。
カッチリ系の美人で、元企業人か、専門職。
年代は、アラフォーか、少し上という感じ?」
「当たり。オーナーが元CA。
年は多分俺等より少し上くらい。美人だな」
「なるほど。やはりね」
「女性って大変だね」
「どうして?」
「食事しにきて、そこまで気を遣わなきゃならないんだものね」
「あら、それは男性だって同じでしょ。
その後のことを考えてお店をセレクトしたりするでしょう?
まぁ、性欲と食欲が良い頃合で一致満たされて、開花するのよ」
「myちゃんは、こういうところだと開花する?」
「私?キャハハ(ノ∇≦、)、ナイナイ」
「えっナイの?」
「このくらいで舞い上がれるほど、安上がりじゃないわよ」
「ええ~、どんだけ巻き上げるの」
「違うわ、逆、逆。
ナンカね、経験とか、そういうの超えちゃうと、
新橋のビル地下の焼き鳥屋さんでもOKなのよ」
「行った事あるの?」
「ないけれど、"筆を択ばず"ってことよ。
基本的にきちんとしたところもいいけれど、
それだけでは、絆されないのよ。
自分や恋愛そのものに自信を持てていたら、
そんなのもう関係ないのよ」
「さっきのライティングとか、距離とかってのは?」
「それは、一般論。あなただってわかるでしょ。
経験が無いか、浅い相手は、雰囲気で持っていけるけれど、
そうじゃない相手だと、雰囲気だけでは持っていけない。
むしろ、雰囲気すっとばして、一ひねりってところかしら」
「・・・あっ。じゃあさ、うぶな女性にはお金をかけても意味あるけれど、
逆にそれなりの女性には、お金をかけなくても大丈夫ってことかぁ(笑)
myちゃんには今後、新橋の地下街探索にお付き合いいただこうっと」
「必要経費が何言っているの。意味違うし(笑)
一ひねりできなかったら、それなりの費用は必要よ」
「・・・・・」
「そんな、見つめたって、私には効かないんだから」
「・・・・・」
「流し目も止めなさい」
「・・・・・」
「その唇もアウトよ。少しは成長しなさい」
「なんだよぅ。じゃあさ、泣いて土下座っていうのは?」
「あっそれなら、アリかも・・・・なわけないでしょ」
「やっぱりお金掛けなきゃだめ?」
「だめもいいも、そういう関係じゃないし」
「うーん。俺の恋心は砕け散る~」
「馬鹿じゃないの(笑)」
「あはは・・・おっと。ここは、こういう話をする奴等には似合わないね」
「ええ。出ましょ。皆様のお邪魔だわ」
周りは、そめそめと会話をするカップル。
女性はみんな綺麗。
化粧室の鏡効果かしら?
この方たちも「おと恋」かしら?
Kには強がりを言ったけれど、
私もI氏と来ちゃったら、ポワんとなっちゃうかも~(笑)
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鏡のことは、随分と昔にも書きましたね。
http://koizoushi.blog.2nt.com/blog-entry-292.html